カンボジアのまさと(masato_ogiwara)です。
昨日の記事のスポーツマンシップに反してでも僕たちが選ばなくてはいけなかった選択|アジアソフトテニス選手権を想像以上に多くの方が見てくださり、たくさんのご意見をフェイスブックやツイッターでいただきました。
応援・励ましのメッセージをくださった皆様ありがとうございました。
また、厳しいご意見をくださった方もたくさんいましたが、どの方の意見も的確なご意見ばかりで、とても勉強になりました。ありがとうございました。
ご返信できていない方も多いですが、全て読ませていただきました。
ブログに書いた理由
今回僕があえてこの問題を共有するためにブログに書いたのは、
「カンボジア人の彼らの気持ちを理解してほしい」という気持ちや、
「この決断がどうだったのか?」ということもありますが、
それ以上に、これが実際にアジア選手権で起こった事実としてもっと多くの人に知ってもらう必要があると感じたからです。
その理由は、ソフトテニスの四大大会で起こってしまったこの問題をこのまま見過ごしていけば、ずっと今後もまた違った形で見ないところで起こり続け、今後ソフトテニスの世界普及への妨げになるものになるからです。
なぜ自分がサポートして応援しているチームを晒し者にするのかという人もいますが、この問題はソフトテニスをオリンピック競技にするために絶対にクリアにすべき問題です。
逆に言えば、内情を知らない国ではなく、僕がサポートしている国で内情を全て知っている立場だからこそ、こうやって自分で取り上げることができるということもあります。
問題提起をしていくことが今の僕にできること
今回のこのカンボジアの問題は実際に僕がカンボジアチームに関わっていなくても起こっていたと思います。
たまたま僕自身が関わっていたから、こうして取り上げ浮き彫りになっただけで、実際にはもっと見えないところでの問題はたくさん起こっています。
このようなことが繰り返し行われていけば、短期的な目線で見ればうまくいく場合もあるかもしれませんが、長期的な目線で考えた時には、絶対的にソフトテニスの発展は望めません。
世界各国に普及・根付いていかないのには理由があります。
ソフトテニスの世界のトップ3がずっと変わらないのには理由があります。
ソフトテニスは日本で産まれたスポーツで100年以上の歴史を持つのに、未だにオリンピック競技になれていないのには、明確な理由があります。
僕はカンボジアソフトテニス連盟の代表として、アジアソフトテニス連盟加盟国会議にも出席して、今回の各国の連盟の会長が集まるアジア連盟の総会にも出席しています。
そのため、これからは僕自身がカンボジアの国の代表として会議に出席する立場である以上、声を大にしてこのような問題提起をしていく必要があると思っています。
実際に現場でやっているから見える楽しいこと、辛いこと、嬉しいこと、嫌なこと、、、
世界普及の妨げになっているであろうことに対して問題提起を行なっていくことが、今の僕にできることなのではないかと思っています。
ソフトテニスをオリンピック種目にすることはもはや夢ではない
「ソフトテニスをオリンピック競技に」
ということが東京オリンピック開催が決まった時によく言われていました。
しかし、結果的には東京オリンピックの正式種目にはなれないことが決まりました。
多くの人は、
「日本ソフトテニス連盟は何をやっているんだ?」
とか
「今の組織では絶対になれない」
などと言う人もいますが、僕はカンボジアソフトテニス連盟に関わり出したことで、ソフトテニスの裏方の部分を見る機会がとても増えてきたこともあって、全くそのように思いません。
これまで日本ソフトテニス連盟は多大なる海外普及への貢献活動を精力的に行ってきたし、実際に今でも数多くの取り組みや支援をしています。
僕は今まで全く知ることのなかったアジアソフトテニスの歴史や、今まで聞いたことのなかった日本ソフトテニス連盟のこれまでの活動やその苦労話もたくさんお聞きしてきました。
だからこそ、今まで取り組まれてきたことを否定するのではなく、それらを無駄にしないためにも、今回のようなことを多くの人が理解して、改善していく必要があると思いました。
それらを長期的な計画で一個ずつ改善していくことができれば、時間はかかってしまっても将来的にソフトテニスがオリンピック競技になることはもはや夢ではないと思います。
オリンピック種目にするためにやらなくてはいけないこと
東京オリンピックの正式種目はダメだったかもしれない。でも、ソフトテニスがいつかのオリンピック競技の正式種目になる可能性はあるはず。世界の競技人口が増えれば間違いなくオリンピック競技になる。
#ソフトテニスをオリンピック競技に pic.twitter.com/PLHVA2UHCo
— 荻原雅斗@カンボジア (@masato_ogiwara) 2015年1月31日
僕が紹介しているこのソフトテニスがオリンピック競技になるためにはでは説明しきれないくらいの課題があります。
ここで紹介している内容というには、ほんの一部であって、もっとスポーツを普及するために必要な根本的な部分に問題があるということを今回のアジア選手権を通して理解できました。
このソフトテニスをオリンピック種目にするためにするべきことについては、また今度別の記事としてまとめます。
答えがないことにチャレンジしていく
今回のカンボジアチームの「わざと負ける」という行為は、スポーツマンとして絶対にあってはならない行為です。
しかし、カンボジアチームがソフトテニスを今後も国のサポートを受けながら活動していくためには、それを選択せざるを得なかったこともまた事実です。
実際にどちらが正しいのか、どんな選択が正しかったのか?と言われれば、僕はそこに答えはないと思います。
もし一つだけ言えることがあるとすれば、
今のカンボジアのソフトテニスの発展を望むのであれば、この選択が最善であったということだけです。
多くの賛否をいただいたスポーツマンシップに反してでも僕たちが選ばなくてはいけなかった選択|アジアソフトテニス選手権ですが、
大切なのは、ソフトテニスがその国に根付き、ソフトテニスを通して人生を豊かにする人々が増えることです。
スポーツマンシップも大切なこと。
ソフトテニスを続けることも大切なこと。
10年後、20年後にソフトテニスの世界的な立ち位置を変えるためには、これからたくさんの答えのないことにチャレンジしていかなくてはいけないと思います。
今回たくさんの賛否両論のご意見をいただいて、ソフトテニスに対する真剣な思いを持っている人の多さを感じました。
僕たちのことを応援してくれる人も批判をする人も、みんな真剣にソフトテニスに対して考えているからこそ、色々な想いや感情を持たれるのだと思いました。
彼らも本心では日本選手との試合を望んでいました。僕だってあの場所で日本代表との試合を見たいと思っていました。
「日本の大舞台で日本代表と試合をする」
という夢は叶いませんでしたが、この夢の続きをいつかもっと上の舞台で実現できるようにまた取り組んでいきたいと思います。
僕にできることは限られていますが、微力であり、無力ではないと思うので、コツコツ頑張っていきたいと思います!